栗原健太郎+岩月美穂 studio velocity展

栗原健太郎+岩月美穂 studio velocity 展

栗原健太郎+岩月美穂 studio velocity展

栗原健太郎+岩月美穂 / studio velocity

“ 水のようにゆらめくストラクチャー ”(1F展示)
空間に建つ壁を、自立できる限界の薄さで建てることで
自然の風や人の動きで出来る気流にさえ影響を受けてゆらぐ
水のようなストラクチャーをつくりたいと考えた。
壁は厚さ0.25mmのフィルムであり

 
栗原健太郎+岩月美穂 studio velocity展

水のような反射と透明性を備えるために
アルミ蒸着フィルムを貼っている。
見る位置が自然光の入る明るい場所だとフィルムは鏡のように周囲を映し込み、
逆に暗い位置からフィルムを通して自然光の入るスペースを見ると透明に透けて見える。
フィルムのボリュームの周りを歩くとき空間の中に存在する照度の濃淡を反射と透過によって経験する

栗原健太郎+岩月美穂 studio velocity展

また床との接地部分は固定されているのでゆらぐことはないが、
壁の上端部分は自由端になっているため最も気流の影響を受けてゆらぐ。
その応答の様子はテーブルの上にこぼれたときの水の挙動のようでもあり
また、海の中で水流に揺れる海草のようでもある。
自然がつくり出す造形はいつも曲線であり

栗原健太郎+岩月美穂 studio velocity展

揺れ動く不安定さがあり
時間とともに形が変わってゆく。
建築という人工的な行為がつくり出す造形物が
極限まで薄いという今までのストラクチャーには無かった
新たなスケール感を与えられることによって
自然物の在り方にすこしでも近づければ
空間の定義がやがて変わっていくのではないかと考えている。

栗原健太郎+岩月美穂 studio velocity展

栗原健太郎+岩月美穂 / studio velocity
" floor-scape , scanning traces "(地下1F展示)
1/1スケールの現実として床にある様々な痕跡
―コンクリートのクラックやペンキの跡や何かが落ちてできた傷―
を地図のようにスケールを小さくして読み込むと
新しいランドスケープが見えてくる。

栗原健太郎+岩月美穂 studio velocity展

あちこちに入っているクラックは連綿と枝分かれする小川の流れであり
ペンキや汚れの跡は植物の群生するオアシス。
小川のほとりには様々な種類の植物が茂り
そこを渡るための橋が架かる。
それは、もともとある環境を読み解いて新たな状況を作ろうとする

栗原健太郎+岩月美穂 studio velocity展

建築のリノベーション的な思考であり
また1/1の現実と小さな縮尺の模型との間のスケールを
横断して行き来するイメージの中の空間である。
床のマテリアルと真っ白で小さな模型のランドスケープが混ざり合い
リアルとイメージが統合され新しい状況が生まれる。

栗原健太郎+岩月美穂 studio velocity展

栗原健太郎+岩月美穂 / studio velocity
展示風景
2012

 

栗原健太郎+岩月美穂 studio velocity展

栗原健太郎+岩月美穂 / studio velocity
会場風景
2012

栗原健太郎+岩月美穂 studio velocity展

栗原健太郎+岩月美穂 / studio velocity
レセプション
栗原健太郎さん
岩月美穂さんを囲んでオープニングパーティと
五十嵐太郎氏(東北大学院工学研究科教授)を招いての
ギャラリートークを行いました。