国島征二展「記憶の集積」

国島征二展「記憶の集積」

謹んで新年のお喜びを申し上げます。
今年も変わらぬご厚情のほど、よろしくお願い申し上げます。

 2010年最初の企画展は2008年8月のマサヨシ・スズキ・ギャラリーのオープニング以来、当ギャラリーでは2回目となる国島征二の個展を開催いたします。
 前回の展覧会ではアルミニウムを使用した積層とそのドローイングの仕事を1階のスペースのみで展示しましたが今回は1階と地下の2スペースを使い、 1階ではラップドメモリーの仕事を紹介し、地下ではアルミニウムの積層を展示いたします。
 ラップドメモリーの作品は1960年代末頃から試行的に作り始め、1970年代中頃からは継続して製作されるようになり、2010年の現在まで続く作家にとってはライフワークとも言える重要な仕事です。
 今回はその約40年間にもおよぶ作家の記憶の断片をまとめて展示いたします。ひとつひとつの作品には作家の生活感や匂い、形、色があり、それはまさに作家国島征二の生存の証しとも言えます。
また地下ではもうひとつの代表的な仕事である積層された彫刻シリーズのアルミニウムの新作を展示いたします。今回もまた1mを越す大作を地下空間ならではの展示でお見せいたします。
 是非、国島征二展「記憶の集積」をご高覧いただきますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

2010年 元旦
鈴木正義